活動報告

日本江蘇總商會、「次世代エネルギーインフラ構築におけるビジネスチャンス」特別講演会を開催

活動日
2026.09.16

新エネルギー産業の発展と日中企業連携の新たな可能性に焦点

2026年9月16日、東京

一般社団法人日本江蘇總商會が主催する「次世代エネルギー特別講演会」が、東京都品川区にて開催されました。今回のテーマは「次世代エネルギーインフラ構築におけるビジネスチャンス」で、再生可能エネルギー、蓄電、電力市場、エネルギー安全保障、そして日中企業間の連携といった現在注目されている産業テーマについて、幅広い意見交換が行われました。

本イベントは、基調講演、パネルディスカッション、懇親交流会の二部構成で実施され、エネルギー業界の専門家、企業経営者、在日華僑・華人の経営者らが参加しました。日本のエネルギー産業が転換期を迎える中で生まれる新たなビジネス機会や、日中企業がそれぞれの強みを生かしながら、より長期的かつ実務的な協力関係を構築していく方法について議論が交わされました。

エネルギー産業の転換に注目し、次の市場機会を探る

第一部は、日本江蘇總商會の郎琅氏が司会を務めました。

はじめに、日本江蘇總商會会長、Odyssey Group株式会社代表取締役の蒋馳氏が主催者を代表して挨拶し、来場者への歓迎の言葉を述べるとともに、日本江蘇總商會が継続して会員間の交流促進と日中ビジネス協力の推進に取り組んでいることを紹介しました。

続いて、Life Prosumer合同会社代表社員・業務執行者CEO、株式会社Office Sun代表取締役の松本照生氏が基調講演を行いました。

松本氏は長年にわたり、エネルギー政策研究や太陽光発電事業の開発・運営などに携わり、政策研究と事業実務の両面で豊富な経験を有しています。今回の講演では、次世代エネルギーインフラの構築をテーマに、系統用蓄電池、FIT制度からFIP制度への移行、既存太陽光発電設備の更新、さらに新エネルギーとデータセンターなどの新たな電力需要との組み合わせといった観点から、エネルギー産業に生まれつつある新たなビジネス機会について解説しました。

日本の再生可能エネルギー産業が「導入量の拡大」から「エネルギーをいかに効率的に活用するか」という新たな段階へ移行する中、蓄電、電力取引、エネルギーマネジメント、既存再エネ資産の高度化といった分野が、ますます多くの市場関係者から注目を集めています。

パネルディスカッション:エネルギー安全保障から日中産業協力まで

基調講演終了後、パネルディスカッションが行われました。

登壇者は以下の通りです。

松本照生氏
Life Prosumer合同会社 代表社員・業務執行者CEO
株式会社Office Sun 代表取締役

小島盛利氏
和のエネルギー株式会社 代表取締役

蒋馳会長
一般社団法人日本江蘇總商會 会長
Odyssey Group株式会社 代表取締役

パネルディスカッションでは、企業の社会的責任や、今後3~5年におけるエネルギー産業の事業環境を起点として、実務的な産業テーマについて幅広い議論が行われました。

主なテーマとして、日本のエネルギー産業がFIT時代からFIP・蓄電時代へ移行した後、企業のビジネスモデルがどのように変化していくのか、電力インフラのサイバーセキュリティやJC-STARなど関連認証の重要性、エネルギー安全保障・サイバーセキュリティ・国際的な技術協力のバランスをどのように図るべきか、また中国企業が日本のエネルギー市場に参入する際に、どのように長期的な信頼関係を構築していくべきか、といった点が取り上げられました。

また、中国企業の日本市場における事業展開のあり方についても意見交換が行われました。議論は従来の設備供給にとどまらず、投資、EPC、保守、運営、長期的な資産管理にまで広がり、中国企業が単なる「設備供給者」から「長期的な事業パートナー」へと転換していく可能性についても検討されました。

図1|パネルディスカッションの様子。エネルギー産業の発展、日中企業の連携、今後のビジネスモデルなどについて意見交換が行われました。

日中双方の強みを生かし、より実践的な協力モデルを模索

日本市場における土地資源、制度環境、プロジェクト運営の経験と、中国企業が持つ製造力、産業規模、設備・材料サプライチェーンの強みをどのように組み合わせていくかは、今回のパネルディスカッションにおける重要なテーマの一つでした。

登壇者は、蓄電、既存太陽光発電設備の更新、データセンターなどの分野を中心に、今後構築される可能性のある日中協力モデルについて意見を交わしました。

また、現在の主力事業がエネルギー分野ではないものの、新エネルギー産業への参入を検討する企業経営者にとって、「どのように第一歩を踏み出すか」という現実的な課題についても焦点が当てられました。業界専門家、プロジェクト運営事業者、企業経営者の交流を通じて、より多くの企業が新エネルギー産業のバリューチェーンを理解し、自社の資源や条件に適した参入方法を見つけることが期待されます。

パネルディスカッション終了後には質疑応答が行われ、参加者からは基調講演の内容やエネルギープロジェクトの実務に関する質問が寄せられ、登壇者との間でさらに具体的な意見交換が行われました。

産業を軸に、会員および企業間の交流を深化

第一部終了後、懇親交流会が行われました。

第二部は、日本江蘇總商會の張越宵氏が司会を務めました。参加者は和やかな雰囲気の中、エネルギー産業、企業経営、日中協力などについて引き続き交流を深めました。

懇親交流会では、来賓挨拶、新会員・特別招待者の紹介、日本江蘇總商會の今後の活動案内、記念撮影なども行われ、会員企業や各業界の参加者が新たなつながりを築き、情報交換や協力の可能性を探る場となりました。

図2|日本江蘇總商會9月16日ビジネスセミナー会場。会員および来賓の皆様にご参加いただきました。

日本江蘇總商會は、このような専門テーマを扱うイベントを通じて、会員間の交流を深めるとともに、日中企業をつなぐ架け橋としての役割をさらに発揮し、産業動向、専門的なリソース、企業の実際のニーズを結び付けることで、会員企業により実質的な価値をもたらす交流・協力機会を創出していきたいと考えています。

日本のエネルギー構造の変化が続き、蓄電、エネルギーのデジタル化、データセンターなど新たな産業需要が拡大する中、日中企業には、新エネルギー設備、プロジェクト投資、技術サービス、プロジェクト運営、サプライチェーンなど、さまざまな分野で今後も幅広い協力の可能性があります。

今後も日本江蘇總商會は、会員企業の関心が高い産業分野を中心に、専門講演、業界交流、ビジネスマッチングなどの活動を継続して企画し、会員企業同士、そして日中企業間のより深く、長期的かつ実務的な協力関係の構築を推進してまいります。